本きらい

私は古本屋なのだけれど、「なのに」と言うべきか、「だから」と言うべきか、本のことをあまり好きではない。

「キライ」だと大きな声で言いたくなることもあるのだけれど、それを言ってしまっては、とも思うのであえては言わない。でも、うんざりすることもある。

 

私は、幼いころから本の隣にいたような人間で、「親しむ」というような距離感ではなく、私の半分くらいはおそらく「本」で出来あがった。

今から思えば、本はほとんど私の家族で、家族に良いも悪いもない。ただそれだけ、という間柄だ。それ以外に表現しようがない。