線を引く

引越しのレイアウトを紙に写して、図面を引いている。ここにトイレがあって、ここに柱、棚が何台入るかしらんと、鉛筆で線を引く。

線を引いていると、だんだんそちらの方が楽しくなってきて、実際の空間は頭の中から飛んで消えて、この机は2.4センチとか、そういうことばかりになる。

 

実地に落とし込めばいろいろと出てくるし、棚や机を増やすなら買わなければならない。お金なんて無い。まさに机上の空論を鉛筆で書いているようなものだ。それでも、私に与えられている時間はわずかなものだから、出来るだけの準備はと思って、鼻歌を歌いながら線を引いている。