蜘蛛に会う

私の家の前には、土の地面があるからか、時折虫の類を見かける。今日は地蜘蛛がいたのだが、二匹が1メートルくらい離れていた。夫婦なのか、親子なのか、兄弟なのかは分からないが、「なに増えてんだよ」と少し笑った。私の気配を察すると、ぴょんぴょんと歩いて()逃げた。

彼らを見ると、小さい頃「朝蜘蛛は来客の兆し。殺してはいけない。夜蜘蛛は悪いことが起こるので注意」と、教えられたことを思い出す。蜘蛛を殺すなら夜なわけだが、考えてみれば、昼だろうが夜だろうが殺したくない。幼い頃の、あの「殺さなければという小さな義務感」は、一体なんだったんだろうか。