詰め込む

昔は、二つ以上のことを同時にやりたいと願っていた。理想を言えば聖徳太子。周りでわんわん言葉が鳴っていても、それをおのおの正確に把握して、快刀乱麻、適切な決定を下す。下を見ると、夕飯に必要な買い物を、メモなしで忘れずに全部買ってくる。

 

ある日、両手を挙げて降参することにした。十七条の憲法どころか、夕飯の買い物すらメモなしでは無理だ。その時から、私は「他人の話」は聞かないことにして、一つだけ「自分の話」を持つことにした。他人に何か頼まれたら、とりあえずそれを自分で一個片付ける。ルールだ。

 

私は基本的に何も頼まれないから、基本的に自分のことをやれば済む。それでも、その一つはいつも一杯で、次はこれを持つ、その次はこれを持つというリストが長くなっていく。一々書いていられない場合は詰め込む。こんなちっぽけで、頼りない脳の中に。