運は扉を叩かない

「運が良くなりたいな」と思った。
聞いた話によると、googleに尋ねればなんでも教えてくれるという。なのでさっそく、入力してみた。「運が」と入れた瞬間に「運が良くなる方法」と予測してくれる。さすがというより他ない。

 

「運が良くなる方法」「運がよくなる30の方法」「読むだけで運がよくなる77の方法」「運が良くなって幸せになる方法」等、検索結果を上から順に片端から読んでいく。ふむふむなるほどなるほど。数多のテキストを読んだ結果、大体結論は一致していた。目指すところが一緒だからだろう。

 

要するに、「運が良くなるというのは、心の持ちようを変える」ということのようだ。まぁざっくり言うと、「運が良くなりたいなどという発想がそもそも間違っていて~うんぬん」というようなことを何十回も読まされた。なるほど、その通りだ。

 

これを書きながら、四十を過ぎてんのに、集団で説教をされたという気持ちで一杯だ。いや、この考え方がダメなのだろう。「そっか、ようやく気がつきました。ご指摘ありがとうございます!」という感じだと、運が良くなっていくらしい。多分。

 

読んでいくと、「運」と「運命」は違うらしいとか、凡人と偉人はそもそも同じ箱には入れないとか、色々あるみたいなんだが、まぁちょっとした「運」程度のことだと、「物は考えよう」ということに収束するらしい。人生という大事の前では、「運」よりは「考え方」の方が役に立つのかもしれない。

 

私は、「10円拾った。ラッキー」みたいなことの頻度を上げたかったのだが。少なくとも、インターネット上の「運が良くなる」というのは、そういうことではないようだ。使えねーな、とつい舌打ちしてしまったのだが、いやこれもダメなヤツっぽい。ありがたい、ありがたいなぁ。

 

一つものすごい現実的なヤツで、「手相整形したら運が良くなるかも」というのがあって、これは分かりやすくていいなと思った。もちろん読んでないけど。そう考えると、「金運が良くなる方法」とか「健康運が良くなる方法」とか、もう少し絞った「運の良さ」を検索するべきだったか。情弱乙。

 

まぁ、金運が欲しければ「頑張って働け」、健康運が欲しければ「食事に気をつけて、運動しろ」って書いてあるんだろうけど。
そういや、占いって人生相談とアドバイスだよな。「運」って元から、そういうもんだったのか。知ってたかもしれない。