おめでとうございます

さっきまで二人だった人間が、三人になる。
そんなバカなと思うかもしれないが、実際にあったことらしい。
増えた人間の性別は分からないけれど、おそらく3000gから4000gの間だろう。一般的には赤ちゃんと呼ばれている生き物だ。

 

現在、東京で生活していけば、電気・ガス使い放題、水道も蛇口ひねり放題、交通網も整備され、食事をするところにも困らず、インターネットもつながり放題、スマートフォンタブレットもあって、ゲーム機だってコードいらずという、本当に豊かで、本当にひどい世界を生きて行くことになる。

 

この惨状に加担している身としては、「本当になんかごめん」と声をかけたく胸がいっぱいなのだが、これを投稿し終わった後は、こういう気持ちは忘れて、日常へ帰って行くことになる。なので、先にもう一度謝っておく。こんな風になってるんだけど、本当にごめんなさい。

 

願わくば、その赤ちゃんと呼ばれる生き物が40000gから70000gくらいになった際に、「おっさん、いやおじいさん。俺/私の人生もそんなに悪いもんじゃなかったよ。あなたの時もそうだったんだろうけど」と言ってくれることを、祈るばかりだ。

 

そしてそんなことを考えている一方で、おめでとう、という気持ちはどこまでも消えない。本当に、おめでとう。