母親大好き

最近、新生児を得た知り合いの家庭が二つあって、他人事ながらひそかに喜んでいた。できれば、もうちょっと産んでもらって、私の分を穴埋めしていただきたい、などと思っていたことは内緒だし、遠くの出来事であるがゆえに苦も無く喜べるということもある。

しかし、子供がお母さんのことが大好きで大好きで仕方がないことしきり、というのはどうしてなのだろうか。私も人並み程度には自分の親のことを気に入っているつもりだが、あぁいう感じが良く分からない。私も昔はそうだったのかもしれないが、思い出すことができない。

そもそもが、びっくりするくらい距離が近く、べたべたしたところから関係性が始まるのだから、当然なのかもしれないけれど。子供に、「どうしてお母さんが好きなの?」と聞いても要を得ないだろうから、想像するしかないのだが。私の就学前の記憶を返して欲しい。

私はこどもが苦手だ。騒々しくて、わずらわしくって、手がかかって、意味不明だ。電車で乳母車(バギーと呼ぶの?)を見るたびに蹴って回りたくなる。
それでも、私は全ての人間の敵で、全てのこどもの味方だから、彼らが快適で幸福で幸運であれと願う。