あと2000日(その2)

この仕事の辞め時について考えている。
商売の下降傾向は明らかで、それを持ちこたえる能力も対応策もないとすれ
ば、辞める以外に選択肢はないわけで、自分の引き際というのももちろん考
えておかなければならいことになる。

私は昔から、複雑な構成を理解する能力が低く、複数のことが同時に処理で
きない。これはもう先天的なものなので、仕方がない。
能力不足なりに、今の仕事が続けられてきたのは全くの偶然で、そういう人
でも贅沢さえしなければそれなりに暮して行ける場所にたまたまいたという
だけのことだ。

ただ、おそらくこれから環境はもっともっと苦しくなって行き、この世界で
生きていける個体数も減っていくことになるだろう。死にたくなければ、そ
こから降りなければならない。そして、私は個人で仕事をする人間だから、
自分のクビは自分で切らなければならない。

自分の他に、「あんたこのままだと死ぬよ」と言ってくれる人はいない。見
渡せば、みな同じ舟に乗る身である。皆で沈めばいいじゃないかという意見
も分からないではないが、私は死にたくないし、「死なない方法を見せる」
必要もあると思っている。