なぜ、それなのだろうか。

まぁ、繰り返し業界の沈没と、現状の悲惨さと、老化による劣化と、若者がいないことによる行く末の無さを嘆いているわけだ。
それは私が特別悲観的な人間だから、というわけではなく、現実としてそうで、おまけに私が貧乏で財産がないという事実が積みあがっているというだけのことである。

ただ、即売会をやっていると、実際はそんなに悲惨でもない。会場は、平均年齢こそ高いものの、30坪程度の場所に本棚が30台くらいと、お客さんが100人くらいいる瞬間もある。(ちなみに、昨日書いた「60歳以上立ち入り禁止にしたら、ほとんど人がいなくなる」というのは、全然冗談ではない。)

そこに来られる方々は、形は色々なものがあるにしろ、「古本と古本屋」というジャンルを愛してくれている人たちだ。そういう「ファン」の人たちが毎月毎月押しかけてくれるという事実には、さすがの私も感動を禁じえないし、微力だが何かの足しにになりたいと願う気持ちもある。

なぜ、「本」というものがこれほどまでに、ある種の人々の気持ちを掴んだのか、その理由は私には全く分からない。彼らに、私のように本を「家族だ」と思う内心があるかどうかも知らない。そして、それほどまでに愛される「本」というものが、なぜ滅びなければならないのか、も、私には分かりかねる。