お祭り

私が古本屋である、ということはそろそろこれを読んでいる人にとっては周知のことと言って良いのだろうか。まぁ、心配してもしょうがないのだが、これは別に私の願望とかそういうものではなくて、本当にそうなのだ。バイトさんに給料も払っている。儲かってるかって? 世界がぐらぐらと揺らぐが。

まぁ、それを前提として、今日はなじみの市場の「大市」というものがあった。「大」と付くだけあって大きいのである。どう大きいか。普段が衛生放送の幕下だとすれば、本放送の幕内である。テレビだって入っちゃう感じだ。(いや、実際には入らないが) 晴れの舞台というわけである。

この業界は端的に言って斜陽で、そういう事実はこういう「お祭り」にも影を落すわけだが、まぁお祭りはお祭りで、どんなに雲がかかって真っ暗でも、雨がざーざー降ろうと、「お祭り」である。特別というのは、あほな話だがいつまでたっても「特別」なもので、この「大市」も例に漏れない。

結果として、今回お手伝いをした大市はまぁまぁの成功裡に終わった。何十人の手伝いの人たちが集まって、最後に中華料理屋で乾杯をした。笑顔で終われる感じであった。そして、テレビではAKBの総選挙。今回の大市の売り上げは、大体17位の人くらいなんじゃないかと思う。

私個人と言えば、杉浦非水の猫の色紙を買った。「そこから一歩も動きたくない」という顔をした猫で、署名を見れば「酔書非水」と書いてあるような有様である。爆笑して、偽物か本物かも考える気もしなくって、とりあえず3万円で買った。いや、良く見たら「杉浦」じゃないのかもしれない。

高いか安いかと言えば…… まぁ、家に来てから考えよう。
というわけで、今日その大市の当日が終わった。私は結構手伝いに出たのだが、今年に限って言えば結構役にたったように思う。一生の中で、役に立ったと思える瞬間は少ない。だから、そろそろいいよね、と思った。