締め切りの真上

古本屋には、「即売会」と「目録」という文化があって、たった今もそれに追われて目を白黒させている。その二つに関しては、おいおい説明する機会があるかもしれない。お、内向き。
まぁ、課題の提出期限が迫っていると思っていただければ。

その提出期限がいつかといえば、今日だ。後、一時間八分残っている。まぁ、間に合うかと尋ねられれば間に合わない。問題ないのかと聞かれればもちろん大いにあるのだが、背に腹は代えられぬ。出来んもんは出来ん、と見栄を切るが心中は大いに焦って本を取り出したり崩したりしている。

私は、大体年に16回締め切りがあって、その全てについてこういう泥縄を繰り返してる。イタチごっことも言う。イタチごっこのイタチは、追っているのか追われているのか知らないが、私は必ず追われる方で、月に一回以上のペースだ。その内、前にいる自分に追いつくだろう。もちろん冗談だ。

遅刻はしても、結局出来ないということはないというのは、全ての古本屋がそうで、それが「最低限守るべきところだ」となんとなく皆が思っているからだろう。まだ目録の白紙の頁は見たことがない。まぁその程度の苦労ということで、古本屋ならば誰でも何とかなる仕事ということだ。

こういう、どこか文化祭の準備めいたことを見ると、「なんとなく楽しそうだな」と思う向きもあるかもしれない。ただ、それはとんでもない勘違いで、その文化祭が毎月ならどうだ。時には隔週だとすればどうだ。出し物は毎回変えなければならないんだぞ、となぜか恫喝してこの文を終える。