前の持ち主

今日は久しぶりに、即売会用の目録など書いていた。
「まるで古本屋さんみたいだ」というジョークを心の中で言ってみたのだが、ちっとも笑えないどころか、「ほんと久しぶりにやってるよねー」とマジレスしたくなった。こういう場合、一体誰に謝ればいいんだろうか。

例によって締め切り直前なのだが、今回は市場で種村季弘の著作と海外文学をまとめて買ってあったので、あまり慌てずに済む感じだ。
私は海外文学の素養が全くないので、いちいち値段をネットでチェックしなければならないのは面倒だ。

目の前に本を積んで、奥付を確認しながら一冊ずつ文字に起こしていく。私は本が年度別に並んでいるのが好きなので、その際に並べ替える。PCになって切り貼りが簡単に出来るようになったのは、本当にありがたい進歩だ。
まぁ簡単にやり直せると、いつまでもやり直してしまうんだけれども。

目録に種村季弘の著作を並べながら、「これは売れないだろうなー」と思いながらニコニコしていた。そんなに売れる人ではないので。ただ、本を触っていると、前の持ち主が、種村さんの新作が出るのを楽しみにしていたのだな、というのが伝わってきて、私は古本屋なので、当然そういうことが嬉しい。