中央市会だより(4月6日版)

毎週月曜日、神保町にある東京古書籍商業協同組合所属の「東京古書会館」に通っている。古書会館では、月曜日から金曜日まで、毎日「市場」が開催されていて、私はその中で「月曜日の人」という感じで理解していただいて構わない。
私はその「月曜日の人」の中で「広報」という役割があって、毎週大体11時ごろに「同報」と呼ばれているfaxを組合所属の本屋さんに流す仕事をしている。
総数はだいたい200通くらいで、東京組合に所属している人で、それを受け取るのを希望している人に出しているという感じだろうか。端的に言えばダイレクトメールである。だから、誰も読んでいない性質のもので、実際にそうだから、適当に好き勝手なことを書いている。
「市場やってまっせ」と最後に書けば、後は何を書いてもよいのが唯一の取り柄で、もちろん他にはなんのメリットもない。おまけに誰も読んでいないから、内心大威張りで、今でもそうである。
毎回月曜日の文章には苦労しているのだが、今日これをそのまま載せればいんじゃね? と気が付いたので、とりあえずお茶を濁してみる。

中央市会だより」(4月6日版)
若かりし頃、ある一冊の本を手にとったことで、人生が変わったり、救われたりすること。実際にあることですよね、本好きのひとならば特に。
その結果として、その作家本人が好きになったり、とある作品を溺愛したり、特定の本に執念だったり。その先にある「好きになり方」は人それぞれですが、きっかけが一冊の本であることには変わりありません。
かつてそのきっかけになった本屋、これからそのきっかけになる本。今日も束になって、山となって、並んでおります。お客さんのためでも良いですし、ここだけの話「自分のためだけ」に買っていただいても結構です。本日も中央市会開催いたします。
今は本に生活を支えてもらっている古本屋からのお知らせでした。

これが今日の分。

この後に、「出品目録抄」と「仕分け承ります」と「日程表」が付いている。「出品目録抄」は、今日は戦前のプロレタリア系の雑誌・詩集と、全集数点、写真集が数点、草稿・画稿類を数点取った。一応プロが思わず会館にやってきてしまいそうなもの、という基準で選ぶのだが、まぁ誰も読んでいないので効果のほどは推して知るべし。「私は楽しいのでそれでいい」という感じだろうか。

個人的には市場(と私自身)のその日その日のを記録している感じが結構好きで、組合の人の協力のもと、なんとか続いている。

市場の役員の任期は6月までなので、それまでこの仕事を細々と楽しむつもりだ。