まっさら

まっさらな時間を持たなくなって、ずいぶんたつ。
スケジュール帳は、毎日毎日どこかが染みていて、その隙間を見つけては、座り込んでボーっとする。そこに、自分の思いを書き込もうとは思わない。だって、出来ることなら休みたいし、横になりたいし。

二週続く即売会が終わって、少しは楽になるのかと思えばさにあらず、二週分の片づけが積みあがる。洗濯物みたいなもので、やらなければ絶対に片付かないし、キレイにならない。次に着て行く服がなくなる前に、どうにかしなければならない。自分で堀った穴を、自分で埋めるみたいだ。

でもまぁ、即売会は嬉しくなるから好きだ。年のせいか、性格のせいなのかは分からないが、私にはもう「嬉しいこと」というのがあまりない。沢山の本を縛って、会場に並べて、いらっしゃいませ、ありがとうございますを言って、いろいろ山ほどイライラして初めて嬉しくなる。不思議なものだ。

まっさらな時間があっても、多分自分は嬉しくないだろうなと思う。また一から「嬉しい」を作るのは、大変そうだし。もう今あるものでいいやと思う。
まっさらな時間を持っている人がいる。そういう人のことを思うと、なぜか泣けてくる。その人が幼かろうと、年老いていようと。