令和の古本屋3

ご存知の方も多いかと思うが、令和の始まりは十連休で開けた。
「な、なんだってー」と知らないフリをしたい向きもあると思う。私も休みは一日だった。
間一日、店員の中西さんが店に入ってくれた。大変に助かった。
だから、十連休一日も休まなかったものだけが、私に石を投げなさい。
あれ? 案外飛んでくるの? お前の勝手だって? そうだけどさ。

私の周りでは大変に評判の悪かった十連休だが、私は結構楽しかった。
理由はたった一つで、お店にたくさんのお客さんがいらっしゃってくれたことだ。
普段、素っ裸で仕事をしていても、大分気づかれない時間がある当店なわけだが、
連休の最中はさすがにそういう時間は少なかったように思う。

すごい勢いで入ってきて、すごい勢いで出ていくお客さんもいれば、
絶対に全部の本を視界に入れてから帰ると決めて、舐めるように全ての棚を見ているようなお客さんもいる。
顔見知りのお客さんもいれば、もう二度と会わないかもしれない外国人の方もいる。
たくさん買ってくれるお客さんもいれば、本を置いて代わりにお金をもらって帰るお客さんもいる。
総じて楽しい。

だから、私の令和は大分楽しく始まった。
昨日、なんだかとても疲れている自分を突然発見して、金曜日休めなかったらマジで危なかったかも、
と思ったのだが、休めたから大丈夫なのである。
十連休が終わり、今日は普通の火曜日で、連休が明けたので市場に一杯お金を払って、
やることは山積みなんだけれど、もうすぐ閉店だし、店内には私しかいないし、
仕事もしないで、素っ裸でこれを書いている。