店で見つけた変な紙

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uganda railway

サイズ47×37センチの紙製ポスター。
UGANDA RAILWAY(ウガンダ鉄道)は、アフリカ分割時代に、
植民地政策の一環としてイギリスによって造られた植民地鉄道で、1896年から建造開始される。
1894年8月、フランスの進出を恐れたイギリスはウガンダ保護領化を宣言。
続く1895年7月にケニアを「イギリス領東アフリカ」とする。
その政治支配強化のため、ウガンダケニヤの内陸部と、インド洋に面するモンバサを結ぶ「ウガンダ鉄道」の建設に着手した。
運航開始は1903年。建設中に2500人の人命が失われたとある。

 

このポスターは、文面から見ると開通してまもなくの観光客誘致が目的のものだろうか。
動物たちが押し寄せてきて、客とおぼしき人間たちが駅舎に逃げ込んで行くイラストとなっている。
看板には、「大自然を楽しむ際には、注意に従ってね!」的なことが書いてある。
刊記がないのでいつ作られたものかは分からないのが残念。
ネットをちょっと調べると、元のポスターはシルクスクリーンとの記述が見受けられた。
うちの店に貼ってあるものはシルクスクリーンではないので、後に作られた複製のような気がする。19世紀から20世紀をまたぐ大英帝国の威光の片鱗と、その影に積みあがった死者の気配に少しぞくっとする。

 

戸川幸夫の『人喰鉄道』は、このウガンダ鉄道建設に材を取ったとwikipediaに記述があって、今度この本が目に触れることがあったら、ぜひ読んでみよう。

面白い紙がたまに手元に来るのだけれど、面白くても売り物としては微妙だったりすることが多い。これもその典型的な例なのだけれど、やっぱり面白いと思ってしまうなぁ。

 


(ポスター原文)
UGANDA RAILWAY

THE HIGHLANDS OF
BRITISH EAST AFRICA
AS A
WINTER HOME FOR ARISTOCARATS
HAS BECOME A FASHION

SPORTSMEN in search of BIG GAME make it a hobby.
STUDENTS of NATURAL HISTORY revel in this FIELD of
NATURE'S own MAKING.

(イラストレーション)

UGANDA RAILWAY,BRITISH EAST AFRICA
ARRIVAL OF THE FIRST COOK'S EXCURSION,AND THE RESULT OF CAREFULLY PRESERVING THE BIG GAME

UGANDA RAILWAY Observation Cars
pass through the Greatest Natural
GAME PRESERVE in the WORLD.

For reliable information,etc.adress
PUVLICITY DEPT.,UGANDA RAILWAY
DEWAR HOUSE,HAYMARKET,S.W.


(翻訳)
ウガンダ鉄道

イギリス領東アフリカ高地は、野外活動家のための冬の活動地となります。
危険を伴う大きな目的(→BIG GAME)を探す猟師(?)は、その楽しみに都合をつけます。
自然史の学生は、この大自然そのものを楽しみます。

(イラストレーション)

ウガンダ鉄道、イギリス領東アフリカ
最初の料理人遠征隊の到着、そして大きな目的を注意深く保護した結果

ウガンダ鉄道展望車は、
大自然を通過します
偉大な世界に守られた。

信頼できる情報など
公益事業部ウガンダ鉄道
デュワーハウス、ヘイマーケット、S.W。