令和の古本屋5

先週あたりから、このコロナウィルスの昨今、店をどうしようかなぁと考えていた。
これを潮目と店を閉じるつもり、は全くなく、私の性格から行くと、私に「閉店の理由を聞く人」の口から決して「コロナ」という単語が出てこなくなるまでは辞めないような気がする。気がするだけだけど。潰すなら、自分のせいで潰れたいものだ。
ただ、国が緊急事態を宣言するなか、不要不急のわが商売を引け目なく続けていってよいものなのか、という考えは確かに持っている。

ただその間、何百回考えても、どんな思考のコースを取っても、最終的には「まぁ店は開けるべきだよな」というところにたどり着いた。
なので、バイトの中西さんにLINEで尋ねてみることにした。
「いま、がっつり一週間休もうかという気になっているのですが、いかがか」
『中西:ありだと思います!』
『中西:休んでみよっか』
元気よく返ってきたので、あぁそうか店閉めた方がよいと思ってたんだぁ、と納得した。
「一週間か、二週間かも、悩んでおります。」
『中西:とりあえず1週間ということで、15日水曜日ごろになったら、その時の状況で次の週末をどうするか考えよう』
こっちの方は、「なめんな、働け」ということだろうか。
ふうん、と思ったので。店は一週間閉めることにした。

閉めている一週間で、がんばってネットの入力をする、
みたいなことはどうせみんなやるので、私の仕事ではない。
なので、がっつり一週間休んで、健康的な生活をし、コロナ以前より元気になることにする。なんにもやらない、をやるのだ。
その間店のことは、中西さんにキャプテンになってもらい、私は船長の指示に従うことにしよう。

心残りは、古本屋の光を求める人に残念な気持ちにさせてしまうことなのだが、いつかその思いには報いたいと思う。