脳内会議

散歩中の脳内会議が世界で一番建設的な気がする。
私にとっては、歩くリズムと考えるリズムというのがピッタリときていて、椅子に座って机の前でボールペンを鼻と唇の間に挟んで「うーん」とうなっている時の、850倍くらいまとまるし、思いつく感じがする。
ビジュアル的なイメージにすると、足をついた時の振動で、頭の中にあるゴロっとした「考え」たちの場所が一斉に少しづつ動いて、徐々に隙間が詰まっていき、やがて少し空間が出来るという感じだろうか。私はこれを、「散歩のインスタントコーヒーの詰め替え時理論」と呼んでいるのだが、この名称は今この場で思いついたし、それほど上手な例えではない。ごめん。

直近の議題は、現在自粛中のわが店を一体どういう風に再開するか、である。もちろん、お釣りを準備してシャッターを開けるわけだが、まぁそういうことではなく、
「ゆっくり再開する」か、「急に再開する」か
がテーマになっている。
例えば5月6日に緊急事態宣言が解除されたとして、「ゆっくり」の場合はまずは「平日12時から18時営業」のように、段階を踏んで元の営業時間に戻す。「急に」の場合は、元から「月曜定休12時から20時営業」に戻す、みたいなことだ。
こういう要素が、ちょっと考えただけでもいくつもあって、おまけに不確定な要素もあって、今のところ結論は出ていない。
が、この令和2年に先の見えない明らかな曲がり角がもうすぐそばにまで来ているような気がしていて、実は少しワクワクしている。

ところで、散歩している時の次に考え事によい時間は、濡れた布巾で本を拭いている時だと思うのだが、こちらは少し一般的ではないかもしれない。そう考えると、私は普通の人の10万倍ぐらい本のカバーを拭いている人生かもしれない。まぁ、係数のもとになっている数字が少なすぎるけれど。