令和の古本屋(は)

晴れて、下北沢のお店が営業再開の運びとなった。
ただ、考えてみれば、自分で勝手に休んで自分で勝手に再開するだけの話で、特に晴れがましいわけでもない気もする。
ならばどんな言葉がふさわしいのか、ということにもなるのだが、結婚式となればなにはともあれ「おめでとうと言うより他ない」というのと同じで、このたびの営業再開については、やはり「晴れて」というのが大人な態度というものなのだろう。まあ天気も良かったし。

昨日の資料会では少し本も買えたので、篠崎運送の阿部さんがお店まで買った本を配達に来てくれた。最近はどうしていたんですかぁ、と尋ねたら運送業の方も暇で、「一週間に一日しか仕事ない日もあったよ」と言ってガハハと笑っている。なにが面白いんだか分からないのだが、私もつられてガハハと笑った。それに私は、一カ月半まるごと無職だったので、阿部さんを笑える立場ではない。急に働き始めて、怪我とか病気とかしないようにしましょうね、とお互い声を掛け合って別れた。分かれた後、日常が少しだけ返ってきたような気がしたのだけれど、特に感慨深いわけでもないな。