令和の古本屋(ほ)ほめろやほめろ

月曜日、下北沢のお店は定休日なのだが、もちろん市場はお休みではない。月曜日は「中央市」という名前の市場があって、主に一般書を扱う会である。一般的に「本」と言ってイメージされるものは、大体ある感じだ。当店の月曜日定休は、この中央市に合わせて決まったもので、「月曜日は市場に行く日」ということに決めて、なるべくなら品物を買いに行くことにしている。

私は今は関わってはいないのだが、この市会の「経営員」だったことがあり、いわば、というか実際にOBだ。緊急事態宣言後、初めての市会ということもあるのか、昨日は出品量がとても多かった。中央市は、本部会館の3フロア―を使って開催されることが多いのだが、今回は地下のフロアーも解放してまるまる1フロアー増えていた。
理由は端折るが、市場の荷物の片づけは量が1.5倍になると、その手間は2倍どころでは済まなくなる。そこで起こるであろう苦労があまりにも容易く想像できたので、昨日はお手伝いをさせてもらうことにした。
古本屋の仕事は力仕事だ。本は一冊ずつ市場に並ぶわけではなく、おおよそ20~25冊程度で縛って、これを「1本」と呼ぶ。つまり、100冊なら4本か5本に縛って積み上げて並べ、これを「1点」と呼び、1点単位で買った売ったを行う。
買われた荷物は、最終的には「名寄せ」される。複数「点」品物を買った人がいれば、その人の荷物をまとめるという作業だ。これが意外と大変な作業で、例えば5本口の荷物を名寄せするために移動しようとすれば、一本はおおよそ12~15㎏くらいあるから、延べ60㎏の荷物を移動することになる。
移動は台車で行うとしても、荷物の上げ下げだけでも結構な運動となる。ようするに、疲れる。

普段は19時頃には終わっている作業が、昨日は20時半くらいまでかかった。朝は10時から始まっているはずだから、経営員の人たちは10時間以上働いていることになる。なんとも気の毒だが、その分ビールはおいしかろう。。
私個人としては、休みあがりの割にはなんとなく動けていたし、キャリアが生きていた感じがして鼻高々だった。誰もほめてくれないけど。翌日に筋肉痛が出ることもなく、1カ月半かけて体を整備したことが生きたのかもしれない。もしくは、40を過ぎると筋肉痛が出るのは明日なのかもしれない。
そういえば、昨日色々な本屋をリサーチしたのだが、一カ月以上の間自粛と称して何もしていなかった人は誰もいないらしい、ということが判明した。古本屋のくせに、みんなマジメなんだなあと関心する一方、自分はなんだか色々と向いてないなぁと思った。