何をしなくても良いのか脳4

全てがうまくいったとしよう。
そう、昨日の続きである。しつこくてすまない。
私の才気が現実を凌駕し、やるべきことは全て終わり、やらなくて良いことだけが残ったとしよう。私の世界が全て、私でない人間によって正常に作動するようになったとしよう。

私はそれほどやる気がある方ではないし、「やる」よりは「やらない」方が好きだから、もう世界に私の居場所はなくなるんだろうと思う。すごいジレンマだが、そうなったところを見てみたい気もする。まぁ、そんな感動的には世の中は出来ていないのだが。

多くの人が、「やりたいことを、やりたいようにできない」ということに苦しんでいる。あまりにも苦しくて、泣いている人すらいる。確かに、苦しかろうと思う。たった一度しかない人生なのに、ままならない。
私はそれに同情し、優しくうなずく。そして、本当に同情している。

一方で、私は「やりたいことできない」苦しみの話を聞きながら、「やりたいことなど何もない」という地獄の中に生きている。かれこれ20年くらいになるだろうか。私にうなずいてくれる人はいない。仕方のない話だ。
苦しみは続く。これからも。