2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

谷崎潤一郎「陰翳礼讃」

谷崎潤一郎、の「陰翳礼讃」(いんえいらいさん)を読んだ。全集を定本に、6本のエッセイをまとめた本なのだが、とても面白く読んだ。中でも、やはり出色は表題作にもなっている「陰翳礼讃」で、ただひたすら「陰」について60頁も書くのは、さぞかし骨が折れ…

池内紀二冊、あるいは書くことと祈ること

最近、池内紀(おさむ)の人物評伝を二冊読んだ。一冊は「ことばの哲学」もう一冊は「二列目の人生 隠れた異才たち」というタイトルだ。前者は一人の人間について、後者は16人の人間について書かれているが、共通しているのはこの作者が持つ対象となる人間と…

カード戦争

生活動線が変わって、一番利用するコンビニエンスストアがセブンイレブンからファミリーマートへと変わった。今はどこのコンビニに行っても、なにかしらの電子マネーやポイントカードがある。ファミリーマートはTポイントカードだそうだ。今はTSUTAYAのTだけ…

・中央市会だより(9月7日版)

雨が、電球のスイッチオン/オフみたいに、降ったりやんだりしています。 私は傘を持つのが嫌い派の人間で、出かける時に雨がやんでいると、いちかばちか傘を持たずに出かけてしまいます。天気予報も見ずに。おかげで、最近の帰り道はいつもびしょ濡れです。…

読書

今、一冊の本のあとがきを読んでいる。本を読み終えるのはどれくらいぶりなんだろうか。それぐらい最近は読書の習慣がないのだが、まぁなんにせよもう読み終える。「優しい」本だったので、今は優しい気持ちになっている。 気分の良い本だったので、一呼吸で…

「すいませんが、『こうがく』の本はありますかね」店番をしている時、お客さんに本の問い合わせをされるたびに胸がチクリと痛む。聞かれたような本は大体無いからだ。まぁ、お客さんだって見つかりづらいから聞くのだろうから、いた仕方がないことだと思う…

サラリ

エアコンから流れ出す、サラリとした風が好きで、ついその風の前から動かなくなってしまう。ここ数日の夏の最後のあがきと、もんやりとした湿気のせいで、再びエアコンのスイッチに手を伸ばしてしまった。 一応「冷房」ではなく「ドライ」にはしたんだけれど…

過去問

先日、参考書で眼にした文章を今でも覚えいる、という話を見かけて「あぁ」と思った。確かに参考書は古今東西の名言の宝庫であろう。その全体は見通せなくとも、偉大なものであるならばそのフレーズ一つで、人を「参った」と言わせることが出来る。参考書に…

欠片をつなぐ

例えば一つの本棚が育つのに、何年の時間がかかるのだろう。読んだ本が一冊一冊くわえられて行き、意に沿わなくなったものははずされ、それでもまだ見ぬ完成を目指して一歩づつ進んでいく。「古本屋が好きな本棚」は、誤解を恐れずに言えばそういう棚だ。 も…

中央市だより(8月31日版)

・中央市だより(8月31日版)ぐるりと見渡すと、森羅万象、あらゆることが本となって存在しているように見えてきます。YMOのコンサートパンフだってあるし、数メートル離れれば江戸時代に印刷された本もある。階を下れば、今や新刊本屋では手に入らなくなっ…