サラリ

エアコンから流れ出す、サラリとした風が好きで、ついその風の前から動かなくなってしまう。
ここ数日の夏の最後のあがきと、もんやりとした湿気のせいで、再びエアコンのスイッチに手を伸ばしてしまった。

一応「冷房」ではなく「ドライ」にはしたんだけれども。
ここでそんな言い訳をしても仕方がないのだが、帰宅してからはずっとその風の中にいて、そこがあまりにも気分が良かったので、動けなくなってしまった。

私は、エアコンの風は大好きなのだけれど、文明的なものとはとても相性が悪く、冷房の中にいたりするとすぐに具合が悪くなってしまう。昨日もいつの間にか寝てしまっていて、ふと目が覚めると床の上で、体がコチンコチンだった。そして、気持ちが悪いという。なんとも。

21世紀に生きていれば、夏は寒いのだし、冬は暑いに決まっているのだ。それが文明というもので、その文明の中で40年以上も生きていて、うまく適応出来ていないのは情けない。そんなことを思いながら、今もエアコンの前で目をつむっている。このサラリとした風が好きだ。