九段下の小学校

朝通勤の電車の中で、たまにランドセルを背負った子供たちを見かける。
男の子もいるし、女の子もいる。男の子は暁星だと思うのだが、女の子は良く分からない。白百合だろうか。でっかいランドセルがいかにも難儀そうなのだが、本人たちは気にならない様子で頼もしい。

今日は、女の子が二人でおしゃべりをしていた。
たどたどしい口調で、なかよしがどうこうと。漫画雑誌の話なのか、お友達の話なのか、適当に聞いていると、だんだんイライラしてきて、「お前らそんなこと話す意味あんのかい」と突っ込みたくなる。

ただ、それを言えば大人だって同じことだから、彼女たちに誤りはない。子供は正確に大人の写し絵だ。
彼女たちは九段下で降りて行った。小学校という、あの人間関係だけで編み上げられているような世界に向かうのだろう。うわー、と思う。幸多かれ。