主な成分

デパートでの即売会が終わり、片づけに入った。
残った本を見渡すと、「傷んでるなー」と思う。本に傷がついているわけではなく、売れそうな本が少なくなっているという意味だ。

まぁ、1月からずっとお客様の前にさらされていた本たちである。良い子はもらわれていって当然だし、そうでなくては困る。その本たちを、もう一度仕分して、おのおのの行き場所に分ける。再び即売会に向かう子、インターネットに出品される子、値下げされる子、市場に出される子……

それぞれの場所に行って、そこで再編されて、次へと向かっていく。
古本屋の仕事はそれのくり返しで、つまり運搬と仕分でその仕事の9割方が占められている。「値段を付ける」とか「売る」とかいかにもそれらしい仕事は実は末節の話なのだ。

そして、「読む」という行為は古本屋とは全く関係のない話だったりもする。