サヨナラ

告別式、お通夜と続いた。
私は二日、受付の「業者関係」の看板の下に座っていて、自分のスーツが紺色であることを気にしながら、手伝いをしていた。香典を受け取って、代わりに引換券を渡す係である。

別に長い時間の仕事ではないので、どうということはないと言えばない。
責任感が強い方でもないので、あくせくと気を回すということもしない。
出たお寿司が残るともったいないので、最後に自分の食べたいものだけたくさん食べた。そんなお葬式だった。

故人とは直接のつながりがないので、そんなもので仕方がないと思う。ただ、「あぁこういう人が来るんだな」という業界つながりの興味みたいなものはあった。まぁ、また近々きっとそういうことがあって、同じ感想を持つのだろうと思う。

お葬式というのは、故人にさようならを言う場所だ。式は、非常にたくさんの参加者があって、とても盛大だった。末席にあって、最後にそっと花を足元に置いた。人それぞれ、色んな大きさのさようならがあって、それら全部を積んで車は斎場へと向かった。サヨナラ。