「ブログにおける『前の記事』『次の記事』問題について書いてダメになったパターン」

『ブログの、古いページが「次の記事」で、新しいページが「前の記事」なのが、覚えられない。そんなのへんだ。』
というtweetがあって、これは大変良いことを言っていると思った。

この人は、「自分が今読んでいる記事」が真ん中だと思っているから、「最新の記事がそのブログの真ん中」であることが感覚的に理解できないと言っているのだと思う。

「過去の記事」→「今読んでいる記事」→『最新の記事』→(「未来の記事(未記入)」)
next(次の記事)←→back(前の記事)

まずこの表記が、「時間軸で管理されています」とあえて書くべきなのかはともかく、
「今読んでいる記事」を中心として、左に向かっている場合を「next」。右に向かっている場合を「back」と書いているというのが、「next/back」記法の基本的な考えかたなんだろうと思う。

見れば分かると思うのだが、「back」は、「最新の記事」に向かって「back」していっている。車を入れる際の車庫が「最新の記事」となるわけで、これはもう完全に正しい。(未来の記事は書かれていないので。基本的に)
しかし、

「過去の記事」→→『今読んでいる記事』→→「最新の記事」
before(過去)→→now(現在)→→after(未来)

「今読んでいる記事を中心として、時間というものは右に向かって流れて行くだろう、普通は」、と考える時には、
back(前)←←→→next(後)
と書く方が感覚的に理解しやすいはずだと、いう主張が、
『ブログの、古いページが「次の記事」で、新しいページが「前の記事」なのが、覚えられない。そんなのへんだ。』という考え方の真ん中にあるのだと思う。

これはどっちが正しいとか間違いとかいうことではなく、「何を真ん中にもってくるか」という思想の問題なのだ。「読み手」を中心に考える場合、感覚的に「next」は「右(現在から見て未来)」というのはとても自然なことだ。

一方で、「書き手を中心に考える」場合、「過去の記事」←「最新の記事」→「未来の記事(まだ書かれていない)」という考え方となるので、「全ての状況は最新の記事に向かってback」していくというのは、誠に正しい考え方であり、とやかく言われる筋合いではないことになる。
以上のことを踏まえて、「はてなダイアリー」を確認してみたのだが、表記は「←前の2日分」となっていた。つまりこれは、「back」を左側に持ってきたパターンということになり、「はてな」は「読者感覚中心」の施策を取っていることになる。

まぁ、こういう状況というのは、そもそもblogという文化が海外からやってきて、「back/next」を直訳したことから来てるのではないかと思う。向こうの感覚から言うと、それが普通なのかね。それとも、「開発者の考え方」というのがnextを左側に持ってこさせたのかもしれない。これは、「開発者」に聞けば分かるのか。

実際問題としては、twitterfacebookといった最近の主流は「ある規模以上のデータを読み込んでも次のリンクをクリックさせない」という方法を採用している。(「ユーザーにリンクを踏ませるのは正しい方法ではない」と思っているのだろう。)そこには、「next」「back」とか、そういった「感覚的にすぐにわからないもの」をまず排除する/避ける思想が感じられる。
縦書きと横書きの文化の差があるのか無いのか、も考えたらよさそうだけどもう眠い。