月が満ちるまで

昨日も出かけていた、今日も出かける、明日はどうだったっけ。「このまま、家で仕事なんか出来ないのではないか」と思うほど、時間の流れが早い。そして、過ごしている一日の間はすごく長く感じる。あれとこれとと、あらゆるものを詰め込んで、洗濯機のようにぐるぐる回す。

 

眠れば朝は一瞬にしてやってきて、私はその一瞬の部分が一番好きだ。眠っている間は、決して不要なことがない。誤らない。とても安心。

もし人生に早送りボタンがあったら押してしまいそうな気がする、と言ったのは他でもない私なんだが、「眠り」さえあれば大丈夫な気もする。

 

昨日、五反田の駅で皆既日食を見た。オレンジがかった月があと二ミリ残っている、くらいの感じだった。ただそれは、完全に隠れているよりもむしろ素晴らしいものに見えた。立ち食いの「銀だこ」が満席で、その人たちみんなが皆既日食を待っているように見えたのが、楽しかった。