2015-01-01から1年間の記事一覧

さようなら、を言うでもなく

新刊の本屋さんは、同じ本をたくさん売る。古本屋は、あまり同じ本をたくさん売らない。売れる本ならば、古本屋だってもちろんたくさん売りたいのだけれど、そうはいかない。理由は単純で、同じ本をたくさん用意出来ないからである。 その代わりと言ってはな…

賽は投げられた

もし、ユリウス・カエサルが今この時、この時代に生まれていたならば、彼はユリウス・カエサルたりえたのだろうか。例え、同じ能力を持っていたとしても。例えば英雄が、その才能を持って、その才能を生かす時を持たなければ、カエサルですらカエサルの名を…

中央市会だより(4月13日版)

・中央市会だより(4月13日版)ふと気がつけば、町に学生が帰ってきていました。この前、スーツや袴姿で出て行ったばっかりなのにと思いましたが、その分また新しく増えたんですよね。当然です。一部ニキビが目立つ子や、お化粧が下手くそな子は新入生なので…

私は鳩語を解さない

風が立った。なので、私は今日から春ということにした。気象庁からのお知らせというのもあるらしいのだが、私は今までそれを気にしたことがない。だから、これからも気にしないことにした。強い風が吹いたら春なのだ。生ぬるいとなお良いのだけれど。そうで…

落ち着く

いつまでたっても雨が明けない。今日は傘をさして大田区役所を訪れた。転入届は断られることもなく、無事大田区民となった。大田区と言えば、私にとっては地の果てというイメージだったのだが、そこまで遠く無いようだ。そして、蒲田は人がとてもとても多か…

「姉の結婚」 手を出す。

西炯子の「姉の結婚」を読んでいる。手元にあるのは、1巻と2巻だけね。察しの良い方なら薄々とお気づきかもしれないが、先日ゴミ捨て場に落ちていた「式の前日」(穂積)と一緒に拾ったものである。私は完結していない作品は手に取らない派の人間なのだが、…

終わること

引越しの日取りなどが、大体決まったので真面目に準備をしなければならなくなった。今日は実印など、普段使わないけれど重要だし必要なものをひっかき集めて、次に金勘定を。調べてみると、お金はなんとかなりそうなのだが、時間がどう見ても足りない。時間…

まあね

花冷えはあるだろうと思っていたのだが、これほどまでに強烈なものになろうとは思ってもいなかった。昨日にいたっては、朝みぞれを目にする始末で躊躇なくダウンジャケットを身にまとい、事務所では暖房のスイッチを入れた。 今日も寒さはなかなかのもので、…

内と外

引越しというのは案外人に負担をかけるんだなー、と思いながら日々生活していたのだが、昨日、どこかで「パッチリ」とはまった感じがあった。ようやく、自分の中の地ならしが終わったのだろうか。だとすれば、のたうちまわった甲斐もあったというものだ。 も…

悩まない。いかがなものか。

最近悩まなくなった。と、文章を置いた瞬間に「これ前に書いた気がするな」と思ったのだが、悩まないので続ける。私はある日、「悩む」の内訳の内、95%くらいは前に進んでいるのではなく、同じところをぐるぐる回っているだけだということに気が付いた。 そ…

中央市会だより(4月6日版)

毎週月曜日、神保町にある東京古書籍商業協同組合所属の「東京古書会館」に通っている。古書会館では、月曜日から金曜日まで、毎日「市場」が開催されていて、私はその中で「月曜日の人」という感じで理解していただいて構わない。私はその「月曜日の人」の…

何を言っているのか、ちょっと分からない

私は、基本的にどうでもいい人間なので(他人にとっても、自分にとっても)、こだわりを持つことが難しい。そうこうしている内に、何を言っているのか全然分からないとか、日本語通じないとか、良く言われるようになった。なるほど、出来上がってきたのではな…

外食疲れ

ここのところ、夕飯をどういう風にしようかと悩んでいる。「いつも悩んでんじゃねーか」と言われればその通りなのだが。私は現在のところ100%外食なのだが、別にそのこと自体は嫌ではない。コンビニのお弁当もずいぶんおいしくなったと思うし、なんせ手間が…

研修旅行報告

久しぶりに、一泊二日で旅行に出かけた。支部旅行という、組合がらみの研修旅行で、みんなで出かけて、親交を深めたり、お腹が一杯になったりというアレである。目的地は神奈川県三浦市三崎で、三崎といえばマグロ、マグロといえば三崎とは別に限らない、と…

「式の前日」穂積(感想文)

「式の前日」穂積(小学館フラワーコミックスアルファ) 人の死を使って、他人の涙を絞り取るやり方はダサいと思う。透けて見える苦労、波間を割って見える感情を、ふわりと着地させるのが本望なのでしょう。生真面目とも思える画は、確かに素敵で。 出てく…

今年の野球、始まる(個人的な意味で)。

今日は、横浜DeNA ベイスターズの本拠地開幕戦。自称中畑清好きの同業者が、中畑ラストイアー(一年ぶり三度目)を応援するために、今年もチケットを取ってくれて、でかけることが出来た。私はもうまともに野球を見てないのだけれど、グラウンドに行くのは別で…

春、始まる。

今日は、とても暖かい一日だった。昨日東京は、全国に先立ってソメイヨシノの満開を迎えたそうだし、外を出歩く人の人数もいつもより多いような気がした。今、私の部屋の下では猫が鳴いている。ご存じかどうか知らないが、「猫の恋」は春の季語である。 そん…

一つだけ見るもの

今日は、事務所に行って仕事でもするべかと思っていたのだけれど、すっかり家で寝ついてしまった。花粉のこともあって、薄くしか眠ることができないので、広くいくらでも眠れてしまう。おまけに眠るの楽しい。たまに起きてはお湯を飲んで、また布団に入った…

なぜ、それなのだろうか。

まぁ、繰り返し業界の沈没と、現状の悲惨さと、老化による劣化と、若者がいないことによる行く末の無さを嘆いているわけだ。それは私が特別悲観的な人間だから、というわけではなく、現実としてそうで、おまけに私が貧乏で財産がないという事実が積みあがっ…

五反田遊古会

即売会の初日が終了した。今日は、五反田にある南部古書会館で行われている即売会の初日であった。私は、即売会が結構好きで、理由は普段は通販しかやっていないので実際にお客さんと直接接する数少ない機会であること。 もう一つは、自分以外の古本屋が、ど…

私は死んでいる

まだ、朝の時間帯は少し冷えるのだけれど、私の持病はもっか絶好調。花粉に煽られて、体が内側から反応している。これほど、粘膜がうとましい季節もない。花粉対策というのもいろいろ試したのだが、結果として「対処療法をして、自分のことは死んだものとす…

あと2000日(その3)

「もし自分のしている仕事が世の中に必要とされなくなったのなら、私はその仕事を辞めようと思う。」私はその線引を、ちょうどオリンピックがあるのでそれに合わせると宣言した。その頃にはそうなってそうだし、なんかいろいろ、ちょうど良いではないか。 お…

あと2000日(その2)

この仕事の辞め時について考えている。商売の下降傾向は明らかで、それを持ちこたえる能力も対応策もないとすれ ば、辞める以外に選択肢はないわけで、自分の引き際というのももちろん考 えておかなければならいことになる。 私は昔から、複雑な構成を理解す…

あと2000日(その1)

私は今盛んに、東京オリンピックとともに今の仕事は引退すると言って回っ ている。東京オリンピックは後付けだが、大体あと6年のつもりで、これは本 気も本気、大本気である。「この業界あと10年もたないだろう」と思っているからで、まぁこれには根 拠はな…

『激突!東西の天才 将棋名人 羽生善治 伝説のチェスチャンピオン ガルリ・カスパロフ』

今テレビで、将棋のチャンピョンとチェスのチャンピョン(順不同)が話しているのだけれど、物を考えることと、それを言葉に変換した時に、どれだけ誤差を感じているのだろうなと思う。5%なのか、50%なのか、90%なのか。 「こういう人たちの話」は大…

愚痴のようにも読める

夕飯を誰かと食べたい。と思ったのだが、誘える相手が少ない上に、それはそれで面倒くさいなと思いながらこれを書いている。電話して、断られれば悲しいし、気を使ってもらうのもこちらの気が引ける。それに、食べたいものも決まっていないし。 これは、なん…

墓参り

今日は、お墓参りに出かけてきた。わが家の墓は自由が丘にあって、半年に一度くらい、両親に誘われるままに、時間があれば出かけていく。ひいおじいちゃんの苗字が新井だったので、新井家の墓、である。墓石が周りより明らかに低いので、見つけやすい。良い…

悲しい

仕事場では、インスタントコーヒーを飲んでいる。私は10時間仕事場にいると、大体ポット一杯分のインスタントコーヒーを飲むのがペースだ。おおよそ2リットルということになる。 やはりインスタントは独特のえぐみというか臭みというかがあって、夕方を過ぎ…

前の持ち主

今日は久しぶりに、即売会用の目録など書いていた。「まるで古本屋さんみたいだ」というジョークを心の中で言ってみたのだが、ちっとも笑えないどころか、「ほんと久しぶりにやってるよねー」とマジレスしたくなった。こういう場合、一体誰に謝ればいいんだ…

サクラサラリ

花見といえば、咲いた桜を肴に酒を飲むというのが一般的な話だろう。そこら辺でそれなりのつまみを買って、缶ビールを10本でも20本でも買って、気の合う人間と木の下に行けば、それで2時間はもつはずだ。いや、ビールがあれば気が合わなくても大丈夫かもしれ…