2014-01-01から1年間の記事一覧

蜘蛛に会う

私の家の前には、土の地面があるからか、時折虫の類を見かける。今日は地蜘蛛がいたのだが、二匹が1メートルくらい離れていた。夫婦なのか、親子なのか、兄弟なのかは分からないが、「なに増えてんだよ」と少し笑った。私の気配を察すると、ぴょんぴょんと…

歌おう 感電するほどの喜びを

今日は市場のお手伝いー 昨日は即売会の店番ー 明日も市場のお手伝いー 仕事はいったい いつやるのー と歌っていたら、気の毒そうな様子で見られた。お忙しで、気の毒。と思われているならともかく、気の毒な人だ、と思われていたら不本意だ。 私は、しょっ…

線を引く

引越しのレイアウトを紙に写して、図面を引いている。ここにトイレがあって、ここに柱、棚が何台入るかしらんと、鉛筆で線を引く。 線を引いていると、だんだんそちらの方が楽しくなってきて、実際の空間は頭の中から飛んで消えて、この机は2.4センチとか、…

流行4

昨日は会館の即売会の店番をしていた。古書会館で行う即売会は、複数の古本屋が本を持ち寄って棚に並べるやり方が一般的で、昨日もそうだった。 「個性的な本」など存在が矛盾だが、「本の集め方」には確かに個性があって、私はそういう部分は気に入っている…

流行3

流行の話が続く。古本屋は、莫大な数のアイテム数から自分の売る本を選ぶ仕事なので、「その本の価値」というものに比較的細かい人種だ。流行のものは廃れる。廃れた流行は、次に溢れかえることは書いた。つまり、廃れれば商品にならなくなるということにな…

流行2

「流行」のものは、いたるところから現れると昨日書いた。私の知るのは本の話だが、私は『気くばりのすすめ』を見るたびにツブス(古本屋は本を捨てることを「ツブス」と言う)。『バカの壁』もツブス。漱石全集も大体ツブス。ばんばんツブス。 漱石を「流行…

流行1

「古いものの話」になる。流行というものがあって、世間をそれが席巻するということがある。例をあげれば、鈴木健二の『気くばりのすすめ』や、磯村尚徳の『ちょっとキザですが』。西村京太郎や赤川次郎の推理小説群はそれに相当するだろう。 流行があるとい…

かたち

物には「かたち」というものがあって、それは時代にあわせて少しづつ変化していく。例えば、本は昔、和紙に印刷して、それを手と紐で束ねていた。今は、洋紙に印刷し、背中を糊で固めてある。本をめくって頁を読み進めるという形は変わらないが、「かたち」…

『ジブリの森とポニョの海』(角川書店 2008年発行)

『ジブリの森とポニョの海』(角川書店 2008年発行) が、良い本だった。そして、読んでいて大いに傷ついたので、流れ弾をぶつけたいと願い、部分を書き抜いた。耳が痛過ぎて泣きそうだ。 この本はメインの部分は、ロバート・ホワイティングと宮崎駿のインタ…

むむむ

最近、新しいことをやるのに抵抗が強くて困っている。 この場合、「何かやることを反対されている」わけではなく、自分が新しいことをやりたくない、ということだ。 洗濯はするけど、新しい服は買いたくない。髪は洗うけど、切りたくない。 一言でいえば「面…

古い本

私は比較的古いものを扱うことが多い職業だ。例えば、戦前に発売された本を手に取ることも多い。その時代の本は、もちろん「本」には変わりないのだけれど、確かに「その時代の形」をしているように見える。装丁や活字はもちろん、文章の気配もその時代を示…

話す見る

私は人と直接話す機会が元から少ない。理由は言いたいことから、言いたくないことまでたくさんあるのだが、煎じて詰めれば「友達が少ない」ということになる。言いたくないことを言わされた。ムカツク。 人と話すといっても、あいさつや世間話くらいはまぁあ…

簡単簡単

私は自分の書く字が好きでない。もちろん下手だからで、目をそむけてしまう。そんな私にとって、高校時代辺りから普及したワープロは、まさに福音と言ってよい発明だった。私は「活字三割増し」と思っていて、手書きのものが活字になると、それだけで3割良く…

月が満ちるまで

昨日も出かけていた、今日も出かける、明日はどうだったっけ。「このまま、家で仕事なんか出来ないのではないか」と思うほど、時間の流れが早い。そして、過ごしている一日の間はすごく長く感じる。あれとこれとと、あらゆるものを詰め込んで、洗濯機のよう…

経歴と言われましても

ビルの申し込みをするのに、簡単な経歴書があると助かると言われ、思わず固まった。「経歴っすか? イヤ、無いっす」と、思わず声をあげそうになる。 「自分、何の背景もないっす。ただの古本屋です」 「いや、古本屋さんですよね」 「ただの古本屋です」 「…

象と本

昨日とうって変わって穏やかな天気で、流れている時間も早さが違っているような印象を受ける。実際に違うのかもしれない。サボテンと、木の食器棚では、そこで流れている時間は違いそうだ。象と鼠、富士山と砂場、猫と扇風機、朝顔と高速道路。人間と本。 無…

風に吠える

台風台風台風。昨日から、結構な量の雨が降っている。私はイベントが好きなのだけれど、それによってスケジュールが変更になることがキライだ。許せない。自然なんぞが、人間様の生活様に影響を与えるのがイヤだ。だから、台風となれば胸が高鳴り、風に向か…

わりと助かる

昨日、久しぶりに自宅に目録が届いた。目録というのは、古本屋が即売会用に作るカタログのことで、地方の方に通販をしたり、会場に持っていく品物をピックアップしたものを、リストにして並べる。 ちょっと自慢したい感じのものを並べるのが一般的なやり方だ…

加速

ここ数年、安定した生活を送っていたのだけれど、さまざまな期限が迫ってきて、なんだか戦地にいるような気分になってきた。(本当に戦地にいらっしゃる方には、申し訳ないのだけれど。) 普段は、「何をやって、何をやらないか」というのを考えるのが仕事な…

今年初めての、今年最後

昨日は、横浜ベイスターズ本拠地最終戦。今年もなぜか、というのは変な話だが、四回くらい横浜スタジアムに足を運んだ。 もうなんとなく、ベイスターズが好きになってしまっていて、今日のような気の抜けたビールのような試合をされると、本気でイライラして…

らない れない

変わらないね、と良く言われる。確かに私もそう思う。私は保守的、というか面倒くさがりだし、身につけるものにも興味がない。言っていることは、壊れたレコードのように同じ部分の繰り返し。 変わったよ、と言われることもある。多分そうなんだろう。私が「…

脳の中からは、出られまい。

珍しく買取があるなーと思っていたら、眼が覚めると外から雨の音が。 私のせい、とはおこがましいとは思いながらも、因果を探してしまうのが人情というもの。 いつもと違うことをやると、何かが起こってしまう(と考えてしまう)頭の仕組みというのは、なぜ…

おいそがし

涼しくなってきて生物学的に人類が活性化しているからか、なんだかやたらと用件が舞い込んでくる。私は深く考えもしないで、「どうぞ。いいですよ。」と答えるタイプなので、そろそろその日の用事が把握できないようになってきている。というより、把握した…

鵜の木の頃の話

昨晩も酒を飲んでいた。付き合いの長い同業者で、気心は知れている。いつも同じような話をしているのだが、ふと「暗闇が怖い」という話になった。 その人は、「明かりを付けっぱなしでなくては寝られない」という極端な方だったが、私と言えば、暗闇はあまり…

淡く もろく

昨日、夜に下北沢で飲んでいた。ずいぶんと飲んだような気がするが、スダチとカボスのあいのこみたいな果実のおかげか、朝スッキリで助かった。 相手は小中学校時代の同級生だったのだが、ぼんやりとした過去の中で曖昧に笑うのは、不健全だけれど楽しい。 …

やっつけ仕事

私はアホなので、自分の人生をキレイに生きたいと考えてしまう。そんなことは、不可能なんだけど。 キレイに生きるのは無理なので、せめて強く生きたいと考えてしまう。これは、やめた方が良いと、分かっているのだけれど。 「せめて」と願ってたどり着いた…

漱石新連載

先日、朝日新聞の紙面上で夏目漱石の「こころ」の連載が終わった。来月の一日から、今度は「三四郎」の連載が始まるらしい。 嘘のような本当の話である。そして、「こころ」はすばらしく楽しい連載だった。「ののちゃん」に次ぐ、朝の楽しみに一つ加わってい…

クールジャパン

https://twitter.com/koshoashita/status/514947688241319936/photo/1 (写真ついて) 任天堂のカルタ、トランプの製造工程写真5枚。任天堂はファミリーコンピューター等の開発で知られる、ゲームビジネスのパイオニア。「遊びのデジタル化」を推し進めた張…

本きらい

私は古本屋なのだけれど、「なのに」と言うべきか、「だから」と言うべきか、本のことをあまり好きではない。 「キライ」だと大きな声で言いたくなることもあるのだけれど、それを言ってしまっては、とも思うのであえては言わない。でも、うんざりすることも…

後の祭り

昨日の夜は、昔住んでいたところのお祭りで、仕事の帰りついでに足を運んだ。 今住んでいるところのお祭りには近寄りもしないのに、わざわざ足を運んだのはもちろん古い友人に会うためで、そうでもない限りは私の無精は何もかもを遠ざけるように働く。 会え…